2011年08月10日
エコ・コースト事業とは?
「エコ・コースト事業」の特徴はウミガメの保護ということで、ウミガメの産卵場所
の保全が優先されています。ジュゴンは同じ餌を食べるアオウミガメの生息地と重な
ります。つまり、彼らには海域の海草藻場がなければ生きて行けないのです。
この伊部の海岸にもウミガメが産卵に来るので(かつてはジュゴンも生息していた)
この事業でも海岸の砂浜への配慮がされています。
海域には手を付けず、海岸の植栽の保全というまっとうな方向で進められたのは良
かったのですが、問題はその植栽を保護する目的で造られた護岸です。
自然の海岸では渚から砂浜が続き、グンバイヒルガオなどの植物が茂る背後に防風・
防潮林が根を張って風にあおられる砂の拡散を防ぎます。
しかし、この事業では立派な護岸が植栽をがっちりと保護して不自然です。
立派な護岸と植栽によって集落の人々を隔てる景観は、立派な階段によって確保さ
れていますが・・・この間の大きな台風には対処できていないように見えます。
全てが砂に埋め尽くされ・・・岩石と網に囲まれた植栽も元気を失っています。
Posted by 北限のジュゴン調査チーム・ザン at 20:58│Comments(0)