2015年 ジュゴン食性調査

北限のジュゴン調査チーム・ザン

2015年08月19日 17:38

毎年恒例となったジュゴン食性調査を今年も7月27日から行なっています。
ブログでの報告は調査終了後と考えていましたが、今年も台風で中断を余儀なくされ、未だ終了していませんので、途中ではありますがここに報告します。



この調査の目的は、ジュゴンの採餌場の状態とその利用状況(食み跡)を毎年記録し、異変がないか海域を監視するとともに、得られたデータを藻場の保全に活かすことです。なお同じエリアで実施された護岸工事では、事業者である沖縄県に調査データを提供し、事業がジュゴンへ影響を及ぼさないよう、話し合いを重ねてきました。



調査員はチームのメンバーとジュゴン保護に関心を持つ一般市民。



調査は素潜りで行なうので、参加者は素潜りのスキルが必要になります。



ダイビングクラブで活動されている県内の学生さんも参加しています。



勿論チームの長老?も健在です。



調査を続けていると、毎年同じ場所でジュゴンの食み跡が見つかることがしばしばあります。小さ藻場ですが、この場所でも毎年食み跡を確認しています。サンゴ礫が混じり地下茎が食べにくいのではと思うのですが、この場所にはジュゴンを引きつける何かがあるようです。



先日の調査ではあたりはスクだらけでした。
スクは旧暦の暦通りに姿を見せたようです。



調査中ウミヘビが姿を見せることもあります。
これはクロガシラウミヘビ。
コブラ毒がありますが、ついつい追いかけてしまいます。



あたり一面おびただしい数の食み跡。
この食み跡群を見つけたときは感動しました。
優占種はベニアマモですが、底質が砂なのでジュゴンは4〜5cmほどの立派な溝を掘りながら海草を食べていました。
(尚この写真は調査とは別の日に撮影したものです。)



今年は昨年確認できなかったエリアでも食み跡を確認しています。



現在台風が二つ発生しており、その内の台風15号が接近中で、しばらくは調査が出来そうもありません。



台風によるジュゴンの餌場への被害も気になりますが、台風による環境の撹乱が生物の多様性を育んでいるともいえるので、ここは静かに通り過ぎるのを待ちたいと思います。



まだ集計はしていませんが、今年も例年通り沢山の食み跡を確認し、ジュゴンの健康状態に安堵しているところです。 (タロウ)














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