2016年 ジュゴン食性調査

北限のジュゴン調査チーム・ザン

2016年08月02日 16:20

 2007年より継続しているジュゴンの食性調査を、今年も7月17日〜8月1日の間に実施しました。


                 記録ボードを片手に海草を調べる調査員

 例年調査は台風の影響でしばしば中断していましたが、今年は沖縄島に接近する台風が無く、お陰で順調に調査が進んだのは良いのですが、台風で海が荒れない分、上昇した海水温が下がらず、サンゴの白化が起き始めていました。


                         白化したミドリイシ類

 ジュゴンの餌場である海草藻場は、台風などによる波浪の影響を受けやすく、私たちがモニタリングする海域では、航空写真などにより1990年ころから海草藻場が縮小して来たことが分かりました。


                      ジュゴンの食み跡を手で辿る

 毎年のように襲来する台風ですが、2014年の夏以降は大きな台風が名護市に接近しておらず、その結果過去に台風で面積を減らした海草藻場が、徐々に回復してきたようです。


              ウミヒルモが優占する藻場にできた長い食み跡

 特に今年はジュゴンが好むと言われているウミヒルモの勢力が盛んでした。



 調査中そんなウミヒルモが優占する藻場で、ジュゴンのものと思われる糞を見つけました。サイズ、量ともかなり立派?です。


                         糞を採取する調査員

 早速、分析を行なっている研究者にサンプルを送り、結果を楽しみに待っているところです。


                ベニアマモが優占する藻場にできた食み跡

 今回も沢山の食み跡が確認できました。


                ウミヒルモが優占する藻場にできた食み跡


                ウミヒルモが優占する藻場にできた食み跡


                白化せず成長を続けるユビエダハマサンゴ



 海水温の上昇が気になりますが、ジュゴンの食卓は健全でした。  (タロウ)

関連記事