東江>今夜はゆっくりお休み

北限のジュゴン調査チーム・ザン

2011年02月13日 11:09


今週も何とかこの小さな海の命の営みを失うことを避けることができました。
一日、また一日とまるで断頭台の上(正面のオイルフェンス)に立つ気持ちで
います。海の生きものたち、今夜はゆっくりお休みなさい。
以下は、10日に発表したプレス・リリースです。
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名護市東江海岸の防災および生態系保全が両立する
合意形成のための円卓会議の開催を求めます

 私たちは名護の豊かな歴史と自然生態系に魅せられ、その多様性をこよなく
愛する市民です。昨年の秋に、やんばるの海岸線の現状を巡検した折に、私
たちは、名護市の玄関口である東江海岸の護岸の中に偶然に類稀なサンゴ礁
生態系を発見しました。すでに昭和の時代に国道58号線の建設のために埋め
られた国定公園内のサンゴ礁。また海岸線を埋め立てて道路を造ったために、
度重なる台風による高潮被害、それを受けての護岸工事が始まりました。

安全第一の直立護岸から海岸法の改正を受けての「環境保全」型の「防災・
環境・利用」の新しい海岸整備としてこの東江海岸高潮対策事業が平成13年
から始まったのです。護岸建設の完了する前の平成14年には台風16号によ
る高潮被害はでたものの、護岸が完備されてからは、高潮による被害は出て
いず、むしろ「突堤・人工リーフ・養浜」のセット設計による海流の変化や、
飛砂による新たな被害も始まっています。

私たちは新に発見された貴重なサンゴ礁生態系の保全だけでなく、防災にお
いても、闇雲に一部住民の意見を根拠に事業を進めるのではなく立ち止まり
、新たな情報を元にして、地域住民を中心に情報を公開し、様々な意見を交
換して、より良い事業をすすめるべきだと考えています。

?工事開始から10年が経過し、時代状況や住民・市民の意識にも変化があ
り、現場海域に残され、再生しつつあるサンゴ礁生態系を知った住民・市
民は一様にこれを残して欲しいと要望していること 

?サンゴの研究者・専門家によって現場海域のサンゴ礁生態系の価値は高
く評価されており、安全面も含め児童生徒の環境教育の場として最適であ
り、また名護市の観光資源としても貴重であると認められること

?すでに養浜された部分において飛砂被害や新たな危険が生まれていること 

?生物多様性の保全・回復が国や県の重要な戦略となっている現在、埋め立
てによって失われた名護湾の生態系を再生していく拠点になるとともに、住
民生活の安全と生物多様性の保全が両立する新たな海岸防災のあり方をつく
っていくモデルケースともなりうること

――などの理由から、私たちは次のことを要請しています。

1.地元住民、市民、研究者や専門家、担当行政、業者など、この事業に関
係するさまざまな立場、さまざまな意見を持つ主体が一つのテーブルを囲み、
合意点を見出すための円卓会議を貴事務所の主導で開催すること
2.上記円卓会議において合意点を見出すまで砂の投入を凍結すること

以上
名護の自然を守り、次世代に残したい市民有志